2025.05.22
【自然光と照明のバランスを整える】-3⃣
随所に“心地よさ”をかたちにする工夫を散りばめた「貝ヶ森の家」の設計ポイント第3回目は、【自然光と照明のバランスを整える】
洗面所は、1日のはじまりと終わりに静かに向き合う場所。
手を洗う、顔を整えるといったささやかな行為を、無意識のうちに何度も繰り返す、暮らしのリズムが現れる場所でもあります。
この住宅では、そうした洗面所の特性をふまえ、自然光と照明の質にこだわりました。
東側の壁上部には、プライバシーを守りつつもやわらかく光を届けるハイサイドライトを設けています。
直射ではなく、壁に一度光を反射させることで、室内全体が穏やかな明るさに包まれるよう設計しています。
人工照明には、天井には配線ダクトレールを埋め込み、器具の存在感を極力抑えながらも、光の位置や量を必要に応じて調整できる柔軟性を持たせました。
すっきりと整った天井面が、空間全体を静かで端正な印象にまとめています。
機能性と光環境、そして使う人の所作の丁寧さが自然と引き出されるような、そんな洗面空間を目指して、構成と光の設計を重ねました。(伯望)